Cooley(クーリー)蒸留所
アイリッシュウイスキー復興を支えた重要な蒸留所。
2回蒸留やピーテッドモルトなど、多様なスタイルのウイスキーを生み出しています。
Cooley蒸留所とは
Cooley Distillery(クーリー蒸留所)は、 アイルランド北東部のラウス県、クーリー半島にあるウイスキー蒸留所です。 1980年代後半に設立され、 当時ごく少数の大規模蒸留所に集約されていた アイリッシュウイスキー業界に新たな選択肢をもたらしました。
クーリーの登場は、 現在につながるアイリッシュウイスキー復興の重要な出来事の一つです。 既存のスタイルにとらわれず、 2回蒸留やピーテッドモルトなどを取り入れた 多様なウイスキー造りを行ってきました。
蒸留所からはThe Tyrconnell(ターコネル)や Connemara(カネマラ)などのシングルモルトが生み出され、 アイリッシュ・モルトの幅を広げる存在となっています。
ウイスキー造りの特徴
2回蒸留
アイリッシュウイスキーでは3回蒸留が広く知られていますが、 クーリーではシングルモルトに2回蒸留を採用しています。 モルトの風味を残した、比較的力強い酒質を生み出す要素となっています。
ピーテッドモルト
クーリーを象徴する存在の一つが、 ピーテッドモルトを使用したConnemaraです。 スモーキーな香味を持つアイリッシュ・シングルモルトとして、 一般的な軽やかなアイリッシュとは異なる個性を示しています。
多様な樽熟成
バーボン樽を基本としながら、 シェリー樽やポート樽、マデイラ樽などを用いた商品も展開してきました。 モルト原酒とさまざまな樽を組み合わせることで、 幅広い香味を生み出しています。
味わいの方向性
クーリーのシングルモルトは、 一つの方向性だけでは語れない多様さを持っています。
The Tyrconnellでは、 果実や蜂蜜、バニラを思わせる甘さを持つ 比較的柔らかで親しみやすいモルトを楽しめます。 一方、Connemaraではピートスモークを前面に出し、 煙や土を思わせる香味とモルトの甘みを組み合わせています。
2回蒸留によってモルトの存在感を残しながら、 樽やピートによって異なる個性を与えることが、 クーリーのシングルモルトの大きな特徴です。
Cooleyの位置づけ
クーリー蒸留所の重要性は、 個々の銘柄だけでなく、 アイリッシュウイスキー業界に多様性を取り戻したことにもあります。
蒸留所が設立された当時、 アイリッシュウイスキーの生産は少数の蒸留所に集中していました。 そこへ独立した蒸留所として参入し、 従来とは異なる製法やスタイルのウイスキーを送り出したことは、 その後の新しい蒸留所が相次いで誕生する時代を先取りする動きでした。
現在のアイリッシュウイスキーの多様性を考えるうえで、 クーリーは欠かすことのできない蒸留所の一つです。